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メルカリで一番高く売る/安く買う方法



要約

  • メルカリの売り切れ品検索機能などを使い、いくらで取引されていたかを把握すること
  • 最低メルカリとヤフオクの価格を比較すること
  • 出品/取引量の4つのパターンに応じて価格に対する姿勢を合わせること
  • 交渉のお作法にのっとること

導入

 最近売るものがあって、初めて噂のフリマアプリのメルカリを使ってみました。評判通りすぐに売れて正直驚きました。その際、物は違えど"売買"という点では証券取引と同じだなと感じました。

 そこで、投資で用いる発想をそのままメルカリの価格決定に適用してメルカリで最高の取引を行うための価格決定方法と交渉方法を考えてみました。つまり、メルカリでの稼ぎ方のコツを考えてみました。

 このやり方はメルカリを前提にしていますが、ここでの方法は他のフリマアプリ(フリル、ラクマ、オタマート)、オークション(ヤフオク、モバオク)などC-to-Cサービス(amazon、楽天市場)にも使えます。

手順

 先にどのような手順で行うかを図を使って紹介します。

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 この2ステップが一番安く買う/高く売るコツです。値切り交渉の方法のほか、出品のコツ、買う際の注意点も最後にまとめました。

このページでの目標

 基本的にフリマサイトでの取引価格の幅は以下の図の間に収まっているはずです。下の図の中で、買い手はどれだけ下限近くで買えるか、売り手はどれだけ上限近くで売れるかを目指します。

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 もちろん例外的に収まっていないことはあると思います。それはラッキーです笑

 基本は上の図の通りになるはずです。なぜなら、個人間の取引は商品の不具合など必ずリスクがあるので、個人間の販売の方が安く/高くなるのが妥当だからです。

 この目標を達成するため、1. 目標価格をどのように作るか 2. 目標価格での取引を行うための交渉方法の順で解説します。

事前準備

 必要なものは、実際に売買するためにメルカリのアカウントだけです。また、今回の作業をするにあたってパソコンを使用することを強く推奨します。

 スマホでもできますが、ちょっとした調査なのでパソコンで行った方が捗ります。

Part1: 売れそうな/買えそうな値段を知る

 売り手/買い手共にいくらで商品が取引されているのかを知ることです。

 そこで、3ステップで取引されている価格を知り、取引できそうな一番高い/安い値段を決める方法を紹介します。(これが証券なら相場観の作り方にあたります。証券の方がよほど難しいですが笑)

ステップ1: 過去どんな値段で売れたかを確認する

 販売済みの商品を検索できるがメルカリの最大の良さだと考えています。では、その手順を解説します。ちなみに同じことがラクマでもできます。余力があればラクマでも同じことをするのがいいでしょう。

 ここでの価格が売る価格の基準となります。

 株などの証券を売買するのにチャートを見るのと同じで、いくらで取引されてきたかを確認するという発想です。

1.商品を検索

 まずはメルカリのトップページから売りたい商品を検索します。下の水色で括ったところに商品の情報を打ち込むことで検索ができます。

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 ポイント:この際、商品名だけでなく、商品の情報も一緒に検索することを勧めます。

 例えば、「iPhone 5S」だけでなく、「iPhone 5S 64GB シルバー」と検索することを推奨します。なぜなら、例のiPhone 5Sだけでは容量違いなど余計なものも多く検索結果に出てくるからです。

※この際に商品の状態は検索に入れなくていいです。後ほど絞り込めます。

 2. 並び替え

 すると以下のような検索結果のページが出てきます。今回は例としてiPhone 5s 64GBを使用します。

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  ポイント:ここで、赤丸で括った並び替えで「価格の高いor安い順」に並び替えます。

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 この段階ではまだ、売れていない商品と売れた商品が混ざっています。

3. 商品の状態と売れた商品の絞り込み

  先ほどの画面を下にスクロールしていくと、以下の画面になります。(スマホだと詳細検索のボタンを押します)

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 ここでは4つやることがあります。

  1. 商品の状態の絞り込み(1つ以上選択可)...持っている商品と近い状態のものを選択。
  2. 配送料の負担...送料込みを推奨します。後述しますが取引は基本送料込を推奨します。
  3. 販売状況...売り切れを選択。
  4. 1-3を選択し終えたら完了ボタンを押す。
4. 最近売れた中で一番高いものを探す

 売れたのがあまりに前だと、もうその価格では売れない/買えない可能性が高いので、最近の価格を知る必要があります。そのため、この作業を行います。

 3の絞り込みが終わると以下のように、表示される商品全てにSOLDとつきます。

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 ここから最近売れた中で最も高い価格のものを探します。方法としては、高い/低い商品から順に個別の商品ページに飛んで、売れた日付をコメント欄で確認します。

 個別の商品ページをクリックして中身を見ます。以下が実際の商品ページです。

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 個人情報を一部削除しています。これから下にスクロールすると以下の画面のようなコメント欄があります。※コメントがない場合はその商品がいつ売れたか判断できません。

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一番下にある、最後のコメントでいつ頃売れたのかが分かります。今回の例ならば、赤丸で括った12日前であることがわかります。

ポイント:最近の基準は商品の新しさなどによって変わります。大体以下を目安にするといいでしょう。

  1. 新しい商品の場合...今~2か月
  2. 販売後しばらくたった最新機種(商品)...今~発売後2か月
  3. 1世代前の機種(商品)...今~最新機種の発売日(または発表日)
  4. 2世代前の機種(商品)...今~1世代前の機種発売日
  5. それ以上古い商品...今~2世代前の機種発売日

※1年に1度新商品がでる場合を想定しています。

ステップ2: 現在の販売状況を確認

 このステップでは、メルカリだけでなく、他サイトで今いくらで売られているのかを確認します。このステップでは売れそうな/買えそうな値段を探ります。以下に、参考にできるサイトとそれらの調べ方を記載します。

全ての商品向け
  1. メルカリ...先ほどの絞り込みの段階で行った「販売状況」を「売り切れ」から「販売中」に選択を変えて検索します。並び替えは価格の高い/安い順のままです。
  2. ヤフオク...日本最大のオークションサイトです。メルカリと合わせてヤフオクだけは必ず価格状況を調べましょう。売り手:入札の入っている順で、入札の入っているもののうち最も高い値段を調べましょう。入札が入っている=売れるという認識でよいです。買い手:価格の安い順で検索しましょう。
  3. ラクマ...メルカリに次いでにぎわっているフリマアプリです。ここの価格も参考にするのがよいでしょう。メルカリ同様売り切れの検索もできます。
  4. アマゾン...アマゾンでも中古品の扱いがあるのでここの値段も確認しましょう。
  5. 楽天市場...楽天でもアマゾン同様中古品の扱いがあるのでここでの値段も確認しましょう。
  6. モバオク...オークションサイトです。余力があればここの値段も参考にできると思います。
特定の商品群向け
  1. 価格.com(中古)...家電から車、バッグ、財布、ゴルフ用品の価格を中古販売価格を確認できます。
  2. フリル...ファッションのフリマサイトです。服などを売るときは参考にしましょう。
  3. オタマート...アニメのグッズなど秋葉原に売っているものに特化したフリマサイトです。漫画などを売る際にはこちらも参考になります。

 このページではメルカリでの売却を前提として話しています。ですが、以上のサイトで価格比較をし、より高く売れそうなサイトがあれば、そちらで売るのも戦略の1つです。もちろんですが、サイトの利用者が違うため商品群によって売りやすいサイトと売りにくいサイトがあるためです。

念のための中古販売/買取価格

 アマゾン楽天市場などで、中古品取扱い業者の買取、販売価格は知っておくべきです。これよりも条件が悪い場合はフリマサイトやオークションでの取引はリスキーだと思います。

ステップ3: 価格を決める(売り手)

 このステップでは実際に売れた商品の値段と今の値段を摺合せを行います。

 この時に基準となるのが、ステップ1で調べた値段です。ここで以下の図のように価格決定に対する姿勢は4つのパターンに分かれます。

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 1つのサイトでの出品/最近の取引量が、3個以下が少ない、5~8個もあれば多いとみなせるでしょうもちろん、他のサイトでの状況もあるので臨機応変に考える必要があります。

 そして、4つの姿勢ごとにどれくらいの価格を狙うのか図で示しました。 

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 ※上の図のように出品価格の相場が過去の取引価格の間にないことも多いと思います。その場合、各姿勢の狙う価格幅の順番も変わります。また、実質的下限は販売手数料や送料なども含んだものになります。

 図に加えて、4つの姿勢に関してそれぞれ一般論を解説をします。

  1. 超強気...最高価格を更新できる可能性が高いです。「買いたいのに買えない!」という人がいるからです。とはいっても、法外な価格は道徳的な問題があるので程々に。
  2. 強気...基本的には高く売れるでしょう。注意点としては買い手がいるか不明なので売れない時期もあると思いますが、安く売らないよう気を付けましょう。
  3. 標準...相場よりあまり安く売らないにしましょう。多くの人が見てくれることが想定されるので、今いる人に売らなければならないと焦らなくて大丈夫です
  4. 弱気...高く売るのは諦めたほうがいいでしょう。選り好みもできないので、ほぼ売れればラッキー状態です。

ステップ3: 価格を決める(買い手)

 売り手のときのことをほぼ裏返しにしただけです。さっそく価格決定への姿勢を分けたいと思います。買い手の場合、ここでの姿勢が値引き交渉に大きな影響があります。値引き交渉はページ後半で解説します。

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 そして、各姿勢においてどこの価格帯での取引を狙うかです。

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 図に加えて、4つの姿勢に関してそれぞれ一般論を解説をします。

  1. 強気...安く買えるでしょう。買う相手も選べる立場にあり、交渉次第で安く買えると思います。
  2. 標準...安めで購入ができるでしょう。なぜなら、フリマサイトやアプリで売られるものはその人にとって要らないものであるケースが多く、値下げもしてくれやすいからです。
  3. 弱気...安く変えればラッキーです。売っている人がそもそもいないので、売る人次第ですが、上述の通り、不用品の可能性が高く安く買える可能性があります。
  4. 超弱気...安くは買えないでしょう。フリマサイトを見る時点でおそらく中古屋では高すぎると思っているでしょうし、自分の予算と相談しながらいくらまで出せるか冷静に考えて買い物をすれば、後悔のない買い物ができるでしょう。

Part2: 狙った価格の近くで取引するための交渉のコツ

 メルカリなどフリマアプリでは値引き交渉が行われています。買い手はともかくとして、売り手の人は相手の値引き交渉にずるずるついて行ってしまい、もっと高く売れたかなという経験をしている人もいると思います。そこで、うまく交渉をするコツを紹介します。

ステップ1: 狙う価格と価格の上限/下限を決めておく

 売る/買う価格の上限/下限を最初に決め、価格の範囲で売れなかったときに取る行動を考えておくと余裕をもって交渉ができます。

 売り手の場合、最低いくらで売りたいかというのを決めます。同様に買い手も高くてもいくらまでで買いたいかを決めます。

 大体以下の3パターンが売り手/買い手の価格の下限/上限になると思います。

  1. 個人的な予算...具体的に決める必要あり。
  2. 今の相場...具体的に決める必要あり。
  3. 中古屋の金額

 また、思った金額で売れなければ下取りに出したり、友人に譲ったり、、となると思います。

 以上のように価格の範囲と売れなかったときにする行動を決めておくと相手の交渉にずるずるついていくことはないでしょう。これはBATNA(バトナ、Best Alternative to a Negotiated Agreement, 最適代替案)という交渉術の手法の一つです。

ステップ2: 狙う価格からある程度離れた額から交渉(出品)する

 このステップで大事なのは交渉の流れ(相手の手の内)を知っておくことです。そこで、図を使って交渉の流れを説明したいと思います。

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 ここでは、上の図に従って、想定される交渉の手順ごとに解説したいと思います。

  1. 売り手は自分の目標より、高めに設定して最初出品するのが重要です。
  2. もし、買い手が上限より多少オーバーするくらい以内であれば、値切り交渉が始まる可能性が高いです。この際、目標価格より安く、かつ売り手の下限を下回りすぎない額を言い出すのが重要です。下回りすぎると売り手は売る気をなくすので要注意です。
  3. 何回かやり取りを売り手と買い手で行います。この時に相手の目標感を察するのが大事です。大抵、キリのいい数字か配送料/手数料を除いた時にキリがよくなる数字近辺です。
  4. 最終的に売り手の下限、買い手の上限の間で取引が成立します。

 実際にメルカリではこの流れをきちんとわかった交渉上手な買い手が多いように思われます。従って、売り手もそれに合わせて高めの金額から交渉を始めるのが重要です。

 ポイント: 本当の価格目標を相手になるべくなるべく見せない

目標感を察さなくてはならないものの、その目標感がばれてしまうと落としどころを相手にコントロールされてしまいます。従って、最後の最後までは本当の目標感を見せないようにするのが重要です。

 ポイント: 最初から成立しない取引もあり、それはすぐに諦めること。

 以下の図のようなときは最初から取引が成立しません。売り手の下限より、買い手の上限が低いときです。

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ステップ3: ページの専用化

 値段交渉が終わり、値段が決まるとページを交渉相手専用化することになります。メルカリの文化のようなものです。こうすることで値段交渉をした人ではない第三者が入ってくるのを防ぎます。下のスクショのようになります。

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 このようにするステップを出品者用に記載します。

  1. 商品名を編集し、「取引相手専用」と入力する
  2. 価格を交渉で決まった値段に決める
  3. 購入者の購入を待って、発送する

Part3: 余談~メルカリでの出品/取引のコツ~

 いくつかメルカリでの取引を行う時にコツがあると考えたので紹介したいと思います。

  1. 配送料込の商品を取引する...配送料がいくらになるかは買い手にとって不透明な要因(リスク)であることから売り手、買い手ともに配送料込の商品を取引する方がいいでしょう。例外的に大きすぎるものは配送料が場所によって異なってしまうのでその範疇ではありません。
  2. 配送方法はメルカリ便のものを選ぶ...メルカリ便は互いに匿名、住所を隠して発送/受取を行えるため安心です。これの注意点は販売成立以前にメルカリ便に設定されてなければ、匿名発送ができません。取引成立前にメルカリ便に変更してもらうようにしましょう。
  3. 値下げ可能の表示をしておく(売り手)...値下げを認めておけばコメントがきやすくなります。何もリアクションがない状態はまずいので、リアクションをもらいやすい状況を作るのが大事です。
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