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英文の構造と構成要素~役割とパーツで5文型を理解~



要約

  • 英文は語、句、節の3種類のパーツを組み合わせて作られている
  • 英文の各パーツはS(主語),V(動詞),O(目的語),C(補語),M(修飾語)のいずれかの機能を持つ
  • 2語以上の塊でS,Vを含まないものを句、S,Vを含むのを節と呼ぶ
  • 英文の構造は単文、複文、重文、混文の4種類が存在

導入

 投資家としては、論文、ニュースなど幅広い場所で英文を読むことが要求されています。そこで、英文を読むのに必要な英文法の知識、考え方(ネィティブの感じ方)を紹介していきたいと思います。

 投資家ですのでかなり分析的に英文法を紹介していくことになります。学生時代に習ったルールが単一のルールに収まることなどが、私の英文法の考え方の特徴です。

英文を読み書きできるメリット/文のパーツ、役割、構造を知るメリット

 英文を読めると取得できる情報量が格段に上がります。日本の人口は約1億ですが、英語話者はネイティブだけで4億、第二言語話者まで入れれば14億人と10倍以上います。また、大学院以上のいわゆる最先端の研究は英語でなされていることが大半です。従って、英語を読めると10倍以上の情報収集力が得られます。また発信力も10倍以上になります。

 また、全ての言語に共通しますが、文は全て何種類かのパーツで構成されています。数式も同様で、"1 + 2 = 3" は 演算子の"+"、 左辺の"1 + 2"、右辺の"3"で出来ています。英文を読むには数式のようにどんなパーツで出来ているか、それぞれの役割は何かを知る必要があります。

英文のパーツ

 英文は3つのパーツからできています。それは以下の3つです。

  1. 語(Word)...単語。
  2. 句(Phrase)...2つ以上の単語からできる塊。S又はVが欠けている。
  3. 節(Clause)...2つ以上の単語からできる塊。SとVが揃っている。

 以下の例文を見てみましょう。(S,V等がわからない方は先に要素の役割(5文型)の説明を見てください)

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 この例文は和訳すると、「私は幼いころ、ナダル(実在のテニスプレイヤー)を倒すためテニスをした」という分になります。

 "When I was young"はSVが揃っており、節となりますが、"to beat Nadal"はSが欠けているため句となります。また、今回はそれぞれ句/節の中は語だけで形成されていますが、句/節の中にさらに句/節が入ることがあります。

 "I", "played", "tennis"はそれぞれ語として文中に存在します。

句と判断するには/句を用いるには

 句は必ず(省略不可)、句が始まることを示す語から始まります。それらは以下のいずれかです。

  1. 前置詞...at, in, ..etc
  2. 不定詞...主にtoもしくは動詞の原型。
  3. 動名詞...動詞のing形(現在分詞形)。
  4. 分詞...動詞のing形(現在分詞形)又は完了形(過去分詞形)。

 今回の例ではケースでは、to不定詞が用いられています。

節と判断するには/節を用いるには

 はしばしば、節が始まることを示す語から始まります。それらは以下のいずれかです。

  1. 接続詞...and, but, if...etc 
  2. 疑問詞...where, what...etc
  3. 関係詞...who, where...etc. 

 今回のケースでは疑問詞"when"が使われています。

節を始まることを示す語が省略される場合

 節を示す語の内、関係詞は特に頻繁に省略されます。また接続詞も省略されえます。その場合、一文の中に2つ以上のSVのセットが現れた場合、いずれか又は全てが節です。なぜなら、原則1文にSVのセットは1つしか存在しないからです。

 ※1文に1つ以上SVのセットがある文に関しては後述の文の構造を参照。

句/節の種類

句/節の種類には以下の3つがあります。

  1. 名詞句/節...名詞の塊として扱える。
  2. 形容詞句/節...形容詞の塊として扱える。
  3. 副詞句/節...副詞の塊として扱える。

 今回の例ではそれぞれ副詞句、副詞節の役割を果たしています。た、句/節は文中のパーツであるため、文中での役割(SVOCM)が必ずあります。今回の例では両方ともMです。

4大品詞

 多少本節からずれますが、4大品詞についても紹介しておきます。

  1. 名詞...主語(S)または目的語(O)になる。もの自体を表す単語。
  2. 動詞...述語(V)になる。動作をあらわす単語。
  3. 形容詞...補語(C)または修飾語(M)になる。名詞を修飾する(名詞について説明を加える)
  4. 副詞...修飾語(M)になる。名詞以外(主に動詞、形容詞、文全体)を修飾する。

では次にSVOCMがそれぞれどのような役割を果たすのか紹介します。

英文のパーツの役割

 パーツの役割は以下の5つあります。原則S,V,Cは1つの節/文の中に1つまで、Oは2つまでしか入りません。

  1. S(主語/Subject)...文のメインキャラクター。名詞、代名詞、名詞相当語句が主語になれる。名詞相当語句には不定詞、動名詞などがあり、それぞれの文法項目で名詞として使えることを明示します。
  2. V(動詞/Verb)...主語のする動作。動詞のみ動詞になる。動詞によってO,Cが後に続くかどうか決まります。
  3. O(目的語/Object)...主語の取った動作の対象。名詞、代名詞、名詞相当語句が目的語になれます。
  4. C(補語/Complement)...動作の内容、または動作対象について説明。名詞、代名詞、形容詞、副詞、名詞/形容詞/副詞相当語句が補語になれる。名詞/形容詞/副詞相当語句はそれぞれの文法項目で名詞として使えることを明示します。
  5. M(修飾語/Modifier)...修飾する対象(語/句/節/文)を説明。主に2種類あり、形容詞的修飾語と副詞的修飾語があります。文を複雑にするパーツで読み書きする場合には最後に処理することで文が簡単になります。また、原則就職するパーツの隣に置かれます。

 今回の例でそれぞれを実際に見てみましょう。

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"When I was young(私が若かった時)"はMで、文(I played~)を副詞的に修飾します。

"I(私)"がSとなり、文のメインキャラクターです。

"played(する/遊ぶ)"がVで、私は何かをした(遊んだ)ことになります。

"tennis(テニス)"がOで、私はテニスをしたことになります。

"to beat Nadal(ナダルを倒すため)"はMで、文(I played~)またはVを副詞的に修飾します。文とVいずれを修飾しているかは不明確です。(よく言えば話者の意図に一存するといいます。)このような現象は副詞的就職の際に起きますが、今回は意味をくみ取る上では大きく変わりません。

5文型

 以上のパーツの役割のS,V,O,Cに着目すると大抵の英文(平常文)は5つのパターンに分けられるというのが5文型です。これのいずれに英文が当てはまるかを考えることで英文を簡単する助けになります。また、5文型で考える場合Mは一旦ないもとして考えます。

動詞に着目する

 動詞によって使える文型は決まっています。一つの動詞が一つの文型しかとらないというわけではありませんが、文型判断には動詞から考えるのが王道です。

 参考程度に、目的語を取れない動詞を自動詞と呼び、目的語を取れる動詞を他動詞と呼びます。

第一文型(S V)

 最も簡単な文型です。「SがVする」という意味になります。

 例文:Birds fly.「鳥は飛ぶ」(Birds = S, fly = V)

第二文型(S V C)

 「SがCである(になる)」という文です。数式を使えばS = Cということです。

 例文:He is a boy.「彼は男の子である」(He = S, is = V, a = M, boy = C)

第三文型(S V O)

 「SがOにVする」という文です。

例文:He called the teacher.「彼が先生を呼んだ」(He = S, called = V, the = M, teacher = O)

第四文型(S V O1 O2)

 「SがO1にO2をVする」という文です。

例文:He gave his mother a present.「彼が彼の母にプレゼントをあげた」(He = S, gave = V, his = M, mother  = O1, a present = O2)

第五文型(S V O C)

「SはOがCだとVする」という文です。第二文型と若干違い、O = Cとなります。

例文:I saw him standing.「私は彼が立っているのを見た」(I = S, saw = V, him = O, standing = C)

 

英文の構造

 英文の構造には文中の節の関係性から以下の4つの種類があります。

  1. 単文...節が1つのみ。例 "I went to Nara for sightseeing."(奈良に観光に行った)
  2. 複文...節が2つ以上あり、1つがメイン(主節)となり、その他(従属節)がメインを修飾します。
  3. 重文...節が2つ以上あり、等位接続詞(and, or, but)で結ばれています。例"Granpa went to a mountain and granma went to a river"(おじいさんは山に、おばあさんは川に行きました)
  4. 混文...単文と複文を結ぶ、もしくは複文同士を結んだ文。("I went to Kyoto but he went to Mt.Fuji, which is the highest mountain in Japan" (私は京都に行ったが、彼は日本一高い山である富士山に行った)

 今回の例は複文で、"When I was young"が修飾部で"I played tennis to beat Nadal"がメインです。

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