要約
- 読みやすい英文は修飾関係がはっきりしている文
- 英語を読みにくくするのは修飾語
導入
最近は英文で何かを書かないといけないことも多いかと思われます。SNSの投稿、大学の卒論/修論、海外の同僚へのメールetc...。そこで今回は読みやすい、意図したことが伝わる英文を書くコツを紹介します。もちろん高校受験/大学受験の英作文や会話でも使えるコツです。
また、この5つのコツは米国でも実際にネイティブが英文を書く時でも注意すべき点として扱われています。
読みやすい英文を書くコツ
読みやすい英文とは主語動詞/修飾関係がはっきりしており、端的な文です。その結果、簡潔な文となります。そのため、英語が苦手な方でもミス(文法ミス)をする可能性が下がります。また、今回のコツはすぐに実践ができるコツで、英文特有の方法を使いましょうとは言いません笑
事前知識
今回の説明に当たり、最低でもSVOCと語、句、節がなにかについて理解している必要があります。不安な方は以下の記事を参照してください。
読みやすい英文を書くコツ
英文を複雑にする要因
英文は修飾語によって複雑になります。なぜなら、英語の大まかな骨子としては5文型以外ほとんど存在しないからです。従って、主に修飾語をどのように扱うかが英文を簡単にするキーとなります。
コツ1:能動態>受動態
唯一修飾語と関係ないコツです。書きたい文が受け身で思いついてしまうと、受け身文を書いてしまい、読み手に取って文が読みづらくなってしまいます。そんなときにはこのコツは手っ取り早く、文を劇的に読みやすくします。実際に、英文の履歴書を書く際には欧米人でも注意する点です。まず、能動態と受動態、文の作り方について説明します。
- 能動態:いわゆる普通の文。例:"I ate the apple."りんごを食べた
- 受動態:主語が動作をされる対象となる文。例:"The apple was eaten by me."りんごは私に食べられた
以上の2文で能動態から受動態になって変わっているのは以下の3点です。
- 能動態の文の目的語(the apple)→文の主語になる
- 能動態の文のV(eat)→be動詞(時制は変わらない) + 過去分詞形(eaten)
- 能動態の文の主語(I)→動詞(was eaten)の後に前置詞と一緒(by me)に置かれる。
やや実践的ですが、以下の文を書くことを想定しましょう。
例文:回帰分析が解析に用いられました。しかし、3つのファクターは今回の調査対象に無関係だとわかりました。
受動態の文(直訳):Regression was applied for analysis. However, we concluded that these three factors had no influence on the subject.
能動態の文:We applied regression for analysis and concluded that these three factors had no influence on the subject.
このように何かを使う場合、受動態になりがちですが、前後の文で主語が同じであることが多いため、主語が頻繁に変わり読みづらくなります。そこで主語を統一することで文が読みやすくなります。(今回は一文にもまとめました)
コツ2:修飾語は隣に置く
修飾語、特に副詞はどこにおいてもいいと習った方がいると思います。しかし、修飾するものの隣に置くのが暗黙の了解です。
例文:私は完全に問題を解いたが、よりよい解法があった
悪訳:I solved the problem completely, however, there was a better solution.
良訳:I completely solved the problem, however, there was a better solution.
以上の例でも分かると思いますが、日本はわりと素直に副詞が修飾する語の隣に置いてあることが多く、この順番に素直に従うのが良いです。
コツ3:形容詞>副詞>分詞>関係詞
修飾語を用いる際の優先順位は以下のようになります。
- 形容詞
- 副詞
- 分詞/不定詞...形容詞や副詞で代替できるかチェック
- 関係詞...極力使わない
基本的に修飾語は小さく収めるのがベターです。分詞、不定詞、関係詞を使ってしまうと句や節となり修飾部が大きくなり読みづらくなるのが実情です。特に、関係詞は極力使わないようにしましょう。また、分詞、関係詞を使おうとすると英語に慣れていないとミスの原因となります。
例文:私は彼こそが業界で成功している人だと知っている。
形容詞:I know he is successful in the industry.
副詞:I know he is doing successfuly in the industry.
分詞:I know that he is the one succeeding in the industry.
関係詞:I know that he is the one who is successful in the industry.
日本語につられると分詞や関係詞を使いたくなってしまうものですが、形容詞を使うのが最も端的な英語です。
実は、分詞、関係詞の例で使ったのはいわゆる強調構文と言われるものです。これらの書き方をすると彼が成功しているというのを強調できます。強調構文は文のメリハリをつけるのに必要ですが、乱用は強調部がわからなくなり逆効果です。
コツ4:大きな塊は後ろに持っていく
コツ3を検討した結果、修飾語として句や節を使わなければならない場合、なるべく文の後ろに持ってくるのが暗黙の了解となっています。一方で、コツ2にもあったように基本的に修飾する語の後ろに置くことが推奨されます。しかし、文の読みやすさを阻害してしまう場合、副詞句/節に限り、後ろ隣りよりも後ろに置くことが可能です。
例文:私はそが業界で成功していると知っている。
悪訳(直訳):I know he is in the industry successful.
良訳:I know he is successful in the industry.
先ほどは述べませんでしたが、knowの後に接続詞thatが省略されています。これはその直後S (he) V (is)と続くため、節が現れたことが明らかなため、省略できます。同じことが関係詞を用いる際でも起きます。